ウモジャを観て思う

昨日大学時代の先輩で、アフリカの音楽に傾倒していたエミコさんと、以前から気になっていたウモジャを観て来た。

会場の赤坂ACTシアター、思った以上に立派なところだった。久々に赤坂界隈を歩いて、なんだか浦島太郎の気分だった。

UMOJA(ウモジャ)とは、スワヒリ語で「まとまりの心」を意味するらしい。

アフリカの原始的な民族衣装を身にまとい、半裸状態で太鼓を叩き踊り、うたう。それだけでも圧倒されてしまう。

でも進行役のような男性が、英語で(字幕が出る)南アフリカの音楽と文化、そして社会の流れを時間を追って説明する。
その時々に流行った音楽や踊りを再現していくような構成になっている。

舞台の後方の高い位置にバンドも隠れていて、出番が来ると照明が当たり存在を示す。サックス、ギター、ベース、キーボード、ドラム・・・、メンバーも黒人のパワフルなミュージシャン達。

私はアフリカンミュージックに詳しくないからわからないのだが、古くから伝わるような音楽から始まり、時代が進むに連れて世界的にも有名になったアフリカ生まれの曲、あるいは海外に渡ったアフリカンの音楽も、そしてゴスペルも出てくる。

とっても辛い時を長く経験してきたアフリカの人々が、心の拠り所にした音楽やダンス、それは余りにも明るく、上に上に弾んでいくような動き。

以前たまたまテレビで南アフリカの開放への戦いに関するドキュメントを観た。そのときも、本当にアパルトヘイトに抵抗した群集が全員で唄をうたって抵抗する映像を見て、もの凄い力強さを感じたのだが、今日の公演からもそれを彷彿とさせる力を感じた。

作品として観た感あるが、パフォーマーとしての彼らとしても観てしまった。

踊りも、うたも、太鼓(男性)もこなす、凄い人たち!!
しかもただのミュージカル作品ではない、自分の国の辛い歴史と誇るべき文化を表現して世界の人々に訴えかける。ダンスもうたも、太鼓も、彼らの得意なこと、彼らにしか出来ないこと、そして何度も本番を踏んでいても、いつも熱いエネルギーでもってプレイできること・・・、なんだかすっごく素敵じゃない!!
こんなパフォーマンスが出来るって、羨ましい。

一緒に行ったエミコさんと休憩時に、「女の人の凄いエネルギーを感じるね」と話したのだが、帰ってから雑誌に載っていたウモジャの説明を読んで納得した。
雑誌によると・・・

南アフリカのソウェト地区出身の2人の黒人女性が創りだした、まったく新しいスタイルのパフォーマンス・・・、とある。
2人は日本で言う中学生の時からの友達。でも数年後には連絡が途絶えるのだが、それぞれが海外のショービジネスで活躍し、海外で再会したそうだ。そして一緒に故郷に帰ってきて、路上で暮らす子供達の酷い現状をなんとかしたい・・・、そんな想いがウモジャの発端だったそうだ。

2人は恵まれない環境下の子供達に、アパルトヘイト時代に否定されて途絶えかかってしまった伝統やルーツを再び見出せるような、パフォーマンスを学ぶ学校をつくった。

ツアーに参加するのは学校を卒業した18~25歳の「子供達」。
つまり、あの素晴らしいパフォーマーたちは、裕福な家庭に生まれて英才教育を受けてきたのとは全く違う人たちだった。
そのことに、まず驚いた。また、親から伝わった伝統で、子供の時から慣れ親しんだ伝統文化でもなかった。
これまた驚き。

まだまだ男性中心のショービジネス界で黒人女性2人が、貧しい苦しい状況下にいた子供らを育て上げて世界に問いかける公演。

だからみんな本気なんだね。
だからとっても熱いんだね。

なんだか影響受けました。どう出て来るかはわからないけど・・・。

今月23日まで公演があるので、皆様にお勧めです!!
また再来日することがあったら、今度は家族で観に行きたいです。

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