子供のときからお付き合いしてきたステロイドが効かなくなって、今までの恩を忘れて(笑)ステロイドを敵視するようになった。
世の中の傾向も「脱ステロイド」という言葉をよく聞くようになり、とにかくステロイドがすべて悪い、ステロイドのせいでうんと酷くなったと決め付けて、私もステロイドとオサラバすることに決めた。
そこで白羽の矢を立てたのが、「ホメオパシー」。
ホメオパシーという物は一体何か?
wikipediaには、はじめに、「ホリスティック医療に分類される、代替医療の一種である。同種療法・同毒療法・同病療法などと訳される。」とある。
小さな米粒ほどの砂糖玉に物質をごく低濃度染み込ませたものをレメディーと呼び、症状にあわせてこのレメディーをなめる。
例えば虫に刺されて痒かったり痛みがある症状が出たら、蜂の毒を使ったレメディーを使う。つまり虫に刺された時に免疫の力が 働くのを、蜂の毒素も利用して最大限に免疫力を利用する、といった感じ。
これは別に虫刺されではなくても、カユミやらその他似たような症状になる場合試してみる。
合えば、症状が軽くなるか、或いは一時酷くなるけれども毒を出し切ってしまうのを手伝った形になるので、その後快方に向かう。
合わなければ、良くもならないが悪くもならず、ただの砂糖玉をなめたのと同じことになる。
考え方としては、こんな感じだと思う。
そしてホメオパシーの専門家のもとで治療をしていただいた。
ステロイドを止めた事で酷いと思った症状はまだまだ悪化して、カユミも見た目もどんどん悪化し、生活が出来ない廃人となってしまった。
ちょうど演奏の仕事は少ない時期だったのもあり、完全に仕事もストップ。
外に出られなくなり、食べても食べても体重は減るし、夜も眠れない日が続き、家族はそんな私の犠牲になりストレスは溜まっていく。
真夏なのに寒くて寒くて縮こまるからカラダはガチガチ。このままでは本当に外に出られなくなるからと、家族で近所に買い物に出たが、外は35度近い暑さなのに、私は風が吹くだけで寒くて寒くて歯がガチガチなってしまう。冷房の効いた店内は、あまりの寒さに地獄のようだった。
もう止めた方がいいのではないかと思いながらも、ここまで頑張ったんだから後戻りするのは悔しい。もう少し頑張って、あと少し・、もう少し・・・、そうやって3ヶ月ほど頑張った。
ある日中学時代の友人と久々に合う約束をしていて、もの凄く体調が悪かったけれど無理して出席したことがきっかけで、ホメオパシーの治療は中止した。
友人の一人は、本当に久しぶりに会った女性で、この日は運命だったと思う。
彼女も実はアトピーで以前ホメオパシーで治そうとしたが、結局帯状疱疹になってしまい断念したと話してくれた。
「お医者さんに行って薬貰ったら、すぐ楽になって、本当によかったと思ったんだよ。カタちゃん(中学時代呼ばれていた)も、もう我慢するのやめなよ。それよりも、自分のやりたい事、本当にやりたい事やれば、アトピーなんて吹っ飛んでしまうよ!」
と言ってくれた。
彼女は自分のやりたい事を実行して世に出ている歌手なので、本当に実感がこもっていました。
翌日、病院に行って内服薬と塗り薬をたっぷりもらった。
数ヶ月使わなかったステロイドは、もの凄い効き目で(怖いくらいに!)、とたんに人間らしい生活に戻れた。
ホメオパシーは、私の根深いアトピーを治すことは出来なかったけれど、我が家では今も、大変役に立っている。
熱が出たり、腹痛、怪我、不眠など、効く。
特に子供にはよく効くし、薬じゃないから喜んで欲しがる。
突発性のものには効きやすい気がする。
薬と違って副作用も気にならないので、我が家の常備薬代わりとなっていて、必要に応じて薬やらお医者さんに頼っている。
物は使いようですね。
そして私とアトピーの関係はまだまだ続く。
次に登場したのは漢方薬で、今から3年前の秋から春にかけて、またしつこくもアトピーと闘ってしまったのでした。
つづく