「バミ祭り」を終えて~其の三

前回から間が開いてしまいました。疲れは後から来ますね~。年齢を感じます・・・、って気にしてないけど。

「バミ祭り」ってどんなだったの?、とお立会いいただけなかった皆様からのお声もあったので、祭りの様子を書いてみようと思います。

最初はマリンバソロ。無謀にもバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調の最初の曲Adagio」。

何故この曲か?というと、とにかくバッハが好きなんです。でも難しい。タイムとラベル出来るなら、マリンバ持ってバッハに会いに行き、「マリンバのための曲を書いて下さい!!」とお願いしたい。

マリンバに向いているかは、もうこの際関係無い。桐朋の音高3年の試験では、この次の曲Fuga. Allegro を弾きました。一番弾きたいのはシャコンヌだけど、まだ納得出来ない状態で、両親の3回忌に無理矢理弾いたっきりです。

で、このソナタの1番だけは、一応全て弾けるようになったので、今回は全部弾くには練習する時間も足らないし、プログラムにも重過ぎるし、「じゃあ1曲だけにしょう!」と選んだのがAdagioでした。

初めて取り組んだ時は、どう演奏していいのかわからず、まずは楽譜どおりゆっくり弾くことからスタート。

今は「こんなふうに弾きたい」とはっきりビジョンがあるのですが、いやはや「バミ祭り」では悲しいかな緊張してました。ミスタッチも多くて、「あ~~」とか思いながらも、音楽の流れだけは死守するつもりで演奏したのですが・・・。

それでも、皆さんに聴いて頂けてよかったです。一生かけて取り組むつもりです。少しでも自分の音楽として弾けるように、精進して生きたいと思っています。だから、今回は最初の一歩を踏み出せて、よかった~。

そして次は、ピアニストの香取あささんとの共演。

まずはサン・サーンスの「白鳥」。

よく、マリンバで演奏される曲で、元はチェロで演奏するパートをマリンバのトレモロで演奏します。

普段はアンサンブル・マレットでベースパートを演奏している私は、メロディーを支え引き立てる役割なんですが、今回はメロディー側。この入れ替わりは楽しいです。メロディーを歌いながらベースを弾けるので、今度は伴奏を歌いながら メロディーを弾こうとしたけど、それは無理でした。声を出して歌えないけど、心の中で伴奏の音は鳴らせるので、一人で練習するときも伴奏付です。

この曲は、トレモロの苦手だった私に、もう一度トレモロと真面目に向き合うチャンスをくれました。

腕の重みの使い方、マレットの角度、トレモロの速さ、鍵盤を叩く位置、強弱、流れ。

今はトレモロが好きになりました。弾いていて、とっても気持ちがいい曲。この感覚をお客様にも感じていただけたらいいな~、と思うのです。

2曲目は、バルトークの「ルーマニア民族舞曲」。

この曲も高校3年か大学1年の時に、ヴァイオリンとピアノの演奏を聴いてとても気に入り、早速レッスンに持っていった曲です。

アンサンブル・マレットの那須さんとピアノソロの楽譜を二人で演奏して、マリンバデュオでも弾きました。

今回はヴァイオリンバージョンの楽譜で。

ヴァイオリン独自の奏法ハーモニックスをマリンバでどう演奏したら表現できるのか、重音をどこまで出来るか、などいろいろ課題が有りましたが、私なりの奏法は確立しました。

とてもテンポやら  強弱も変化があり伴奏するのは大変だと思うのですが、香取さんのピアノがまた私の音楽をしっかりと受け止め支えて下さるので、私は一段と気持ちよく飛躍できるんですね~~。有り難き幸せ!!

またマリンバソロ。

この日演奏した唯一マリンバのために書かれた作品、マティアス・シュミット作曲の「ガナイア」。

一昨年と昨年、大学時代の先輩である北澤恵美子さんと村松友里愛さんと結成したマリンバ・トリオ「ガジュマル・アンサンブル」のコンサートで、北澤さんが演奏されたのを聴いたのが出会いでした。

ガジュマル・アンサンブルで演奏したアフリカの音楽の影響が私の中で重要な一部になっていて、「バミ祭り」ではアフリカの要素を出せる音楽を取り入れたいと思ったのと、マリンバのオリジナルソロ曲を一曲弾きたかったので、この曲を選びました。

ずっと同じリズムを繰り返すのがまた苦手な要素だったのですが、ガジュマルアンサンブルの時に足にシャラシャラ鳴る楽器を着けて足踏みしながらまりんばをひいたのを思い出し、足踏みしながら「ガナイア」を練習しました。

これ、いいです。ビート感が自然に身体で感じられて、しかも足を動かしているのでイヤでも脱力して地に足の着いた身体の使い方が出来ます!!

もう、冒頭を弾いただけでアフリカの大地のイメージ、何故か時間は朝か夕方か?、空の色はちょっと赤っぽい・・・、そんなイメージが湧いてきます。

8月26日にスタジオ・バミであったオギタカさんのワーク&ライブで、オギタカさんのジャンベと共演した時の感触も思い出しながら 演奏しました。

前半の最後はアンサンブル・マレットのマリンバトリオ。

最初は楽器を搬入するのが大変なので1台で三人演奏するつもりだったのですが、せめて2台でやろうと気を取り直し、マリンバ2台でも演奏できる曲の中で、このグループらしい曲を選び ました。

グループを主宰する那須律子さんが全て編曲していて、結成20年以上の今、レパートリーは山のようにあります。

最近アメリカの出版社から数曲、出版されました。

Nutcracker Suite (Selections)「くるみ割り人形」組曲

http://www.c-alanpublications.com/Merchant2/merchant.mvc?Screen=PROD&Store_Code=CAPC&Product_Code=19500

Classics for Marimba Trio マリンバトリオの小品集(6曲)
小フーガト短調、トリッチ・トラッチ・ポルカ、ユモレスク、火祭りの踊り
殻を付けた雛の踊り、1台ので3人連弾のピチカートポルカが入っています。

http://www.c-alanpublications.com/Merchant2/merchant.mvc?Screen=PROD&Store_Code=CAPC&Product_Code=19470&Category_Code=3P

と、そんな中から選んだのは、1台で三人の連弾「ピチカートポルカ」、「西部劇メドレー」。

「ピチカートポルカ」はピチカートの音を再現するべく、三人それぞれ硬さの異なるゴムのマレット(バチ)で演奏しました。いかに重くなく、軽く、三人でアンサンブルするか・・・。この日は上手くいったんじゃなかったかな?

「西部劇メドレー」は、おじさまオバサマの多いコンサートでは、大変喜ばれます!!アンサンブル・マレットは日ごろコンサートに行き慣れない方々にも、音楽をマリンバを楽しい、美しい、と何かしら親しんでいただくことがモットーのグループで、メドレーを選ぶ際にも那須さんはまず映画を観ることから始めて、徹底的に原曲を愛してから編曲するという懲りよう。演奏するとそれが 伝わってきて、私も思いいれたっぷり弾きたくなっちゃうのです。

バッハから始まって、一応マリンバいろいろ物語みたいな前半はこれで終了。

ここで「マリンバ解体ショー」と称して、一番大きなマリンバを解体梱包して、休憩時間中にホールから搬出しました。

出演者と共にお客様として来てくださった打楽器奏者のお友達も加わって、信じられない速さで解体できました。お手伝いいただいた皆様、有難うございました。

で、余談ですが、退場したマリンバは那須さん所蔵の「れいこ」さん。那須さんのマリンバには名前がついています。

「れいこ」さんは私の母の名前でして、那須さんのもう一台の楽器は「たろう」さんで、お父上の名前です。どちらも、本人亡き後にやってきた楽器で、名前がつきました。

後半は、次回に書きたいと思います。まだ続きます!!

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