私は14年前に、ゆいさんと初めて共演した時、金子みすゞを知りました。その瑞瑞しい感性に、イメージが自然と湧きました。
あの時は、私も母親になって一年経ったころ。両親に甘えていて、まさかその後に二人とも私を残して逝ってしまうとは夢にも思っていませんでした。
あれから14年。歳を重ねて自分も周りも様々なことが変わり、経験し、娘も大きくなりました。
そして再び、みすゞの詩を小口ゆいさんと紀尾井ホールという素敵な場所で、再演ではなく新たに創るチャンスをいただきました。
とても不思議であり、何かしら意味のある公演だと感じています。
以下、SNSの日記に記したものです。
いよいよ30日まであと少し。自分でもどうなるのかと不安だったのですが、先日のリハーサルで方向性が見えてきました。
前回は大まかなマリンバを使うときは曲想を楽譜に起こして、弾き始めてしばらくは決めたとおり、その後に即興演奏でした。パーカッションの一つ一つの音も、言葉の何処に鳴らすかも決めていたのですが、今回はもっと即興的。
この14年でやってきた、様々な音の詰まったパレットから、その瞬間に感じるままに演奏して良いとのこと。
どの詩に、どんなイメージで、どんな楽器で・・・、くらいまでは決めました。
でも、後はその時の ゆいさんの朗読の口調や流れによって、どうなるかわからない。
朗々と演奏するのではない、けれども其処にその音があることで、空気も朗読の口調も変わってくる。そして言葉によって、音もまた紡がれる。
そんな、静かな、しかしとても影響を与え合う、そんな試みになりそうです。
ゆいさんとは、前回もそうでしたが、14年経った今回もまた一層、共鳴しあうものを感じました。
30日には、ビギナーズラックではなく、馴れ合いになってしまわず、初々しい思いと同時に、とても信頼しあった上での、パフォーマンスにしたいと思います。
是非とも多くの皆さんに、観て聴いていただけたらと心から願っています。
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