6月25日のマリンバのルーツ~アフリカ編 ・・・サカキマンゴーさんを迎えて、ライブ、終わりました。
私の先輩である北澤恵美子さんの主催で、村松友里愛さんと3人で学生の時以来の3人一緒に演奏しました。
そしてお二人のアフリカ音楽への熱意で、親指ピアニスト サカキ マンゴーさんをお迎えすることが出来ました。
4月はじめにマンゴーさんのライブに伺うところから 始まり、4月下旬からリハーサルがスタート。
5月の連休中に関西にお住まいのマンゴーさんを訪ねて、恵美子さん友里愛さんが打ち合わせに。
そして曲を決定しながら、楽譜の無いものを譜面に起こしながら、週一でリハーサル。
私は有名なアフリカの曲「ネマムササ」と、マンゴーさんのオリジナル「白い一日」「グルグル」の譜面を起こした。
さすがアフリカの音楽、リズムをどう捉えるか、楽譜にするのがかなり難しかった。
演奏のための練習よりも、楽譜おこしに時間がかかってしまった。
でも大学卒業以来の聴音をこなしていくうちに、要領を思い出してきて、「私の耳も、まだ使えるじゃない」と嬉しい発見も。
演奏においては何曲か、あまり得意ではないパーカッションを担当することに。
(「即興ではパーカッションやってるじゃない?!」、とお思いの方もいらっしゃると思いますが、私にとってしっかりと決まった曲の中で演奏するのは随分気持ち的に違うのです!!)
オーケストラの中では、延々とリズムを刻んだりする曲は実は少ない。
もちろんすべて楽譜になっている。
でも今回は、自由。
曲はあるけど、パーカッションの譜面は無いので、どうぞご自由にって・・・。
ドラムの人や、パーカッション(ラテン系)の人にとっては、当然のこと。
でも、私にとってはいつも「これでいいのかな?」と迷ってしまうし、どうもメロディーにくっついていき、リズムが揺れてしまう。
もうずっと前からの、不得意分野。
が、しかし、即興でマリンバ持ってライブハウスというのはかなり難しく、打楽器を持ち込んでやってきたことで、今までよりは少しはよくなってきたかも・・・、と気を取り直して頑張ることにした。
まだ大学出て間もない時に、言われたことがある。
「あなたのリズムは、メロディーみたいにうたっているようだね。」
その人はいい意味で言ってくれたのだが、反対にとれば、リズムとして安定していないってことかも。
バランスのとれている音楽家はこんなこと考えないのだろうけれど、自分は横に流れるメロディーに重心が傾いていて、縦の線であるリズムはちょっとおろそかになってしまう傾向があるようだ。
また、即興の時に自由に同じリズムを繰り返している時はあまり揺れない気がするが、曲にあわせようとすると挫けてしまう。
今回のコンサートでは、とにかく頑張ろうと思って挑んだ。
即興ほど自由では無いけれど、自由に演奏する。
きっとここ10年近く取り組んできたこと、”クラシック”と”即興”が交じり合う日になるのではないか、そんなことを考えながら迎えた。
親指ピアニストのサカキ マンゴーさんは、コンサートで素晴らしいパフォーマンスを披露してくださった。
沢山の、そして初めて親指ピアノを見たお客様の全員が、魅了されたことと思う。
でもそれだけではなかったことを、ここに書きたい。
マンゴーさんとの最初のリハーサルは、コンサートの2日前の晩だった。
彼のオリジナルの2曲は、CDから楽譜を起こしたので寸法はそのままに演奏できた。
でも実際にあわせてみると、親指ピアノは思っていた以上に音が沢山出せる楽器だと認識を新たにすることとなった。
マンゴーさん一人で私が書いたマリンバのパートをすべて演奏できてしまうのだ!!
まさに「ピアノ」。
そこで各パートを、どのように色づけするのかをマンゴーさんの指導の下に、私達が出来るように譜面にする作業。
一番大変だったのが、「ネマムササ」。
私達が以前から聴いていた「ネマムササ」は、3拍子で始まるイメージだった。
楽譜も3拍子から始まり、途中で4拍子が重なっていくようなものだった。
ところが、いざマンゴーさんとあわせてみると、基本が4拍子だったのだ!!
しかも音の始まりが私達の認識していたものと、2小節半ずれている。
ついでに、調まで違っていた(涙)
ここで詳しく説明するのは難しいので割愛するが、私達が練習していた「ネマムササ」はすべて無駄で、ゼロからやり直し。
楽譜も書き直し。
マンゴーさんがうたったり、親指ピアノで弾いてくださる音を頼りに五線譜に書く、この作業でコンサート前日のリハーサルの殆んどが終わりました。
これにはマンゴーさんも予定外、まさか指導することになるとは思っていなかったのでは?!
お昼を食べる時間も惜しむような、リハーサルを経て、コンサートにこぎつけた。
こんなにアタマ使ったのは、一体何年ぶりだろう?
本当にコンサート前日の晩は、脳味噌が溶けたかと思った。
コンサートが終わって、お客様に「楽しかった」と言っていただけたり、とても喜んでいただけた様子に、疲れも吹っ飛びました。
この場を借りて、言わせてください。
サカキ マンゴーさん、私達に付き合ってくださり、本当に有難うございました!!
そして、私達3人も、頑張りました。
今回学んだこと、きっと財産なんだと思います。
さあ、次にどう繋がっていくのか、楽しみです。
聴きに来てくださった皆様、滅茶苦茶な私を支えてくれた家族、機会を下さった恵美子さん友里愛さんに、感謝です。